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猫のいる風景
F30号 油彩、キャンバス 1976年 たましん地域文化財団蔵

鷲見 哲彦(1928-2017)

作者は、自由美術展、日本アンデパンダン展、平和展など様々なグループ展に参加しながら、自己の美の表出を探り続けた。シュルレアリスムの影響が色濃い《猫のいる風景》から、自由な反復と規律性が併存する《1990.No.6 水平に》への変化を見ればわかるように、次第に具象から抽象へと画風を大胆に転換していった。「垂直水平などは地球の上での事と気がつく。宙ではこの星のスケールは役にたたない、だろう。さすれば中心周縁も埒の外」と作者は語っている(『鷲見哲彦展』図録、かわさき IBM 市民文化ギャラリー、1990 年)。